孤食の原因と対処法は?子どもが一人で食事することによる影響

孤食とは

孤食
皆さんは「孤食」ということばを聞いたことはありますか?

「孤食」には「1人きりの食事」「1人ずつ食べるものが違う」「バラバラの時間に食事を取る」といった意味があります。

近年ではこの「孤食」が社会問題化されています。

特に、これから心身ともに成長期を迎える子どもが孤食になることは、孤独感を感じることや栄養素の偏りなどにより、今後の成長にマイナスな影響を与えてしまうことがあるのです。

今回はそんな孤食の原因、子どもの孤食による心身への影響や問題点、そしてこれらの解決策についてお話しします。

孤食とはひとりでご飯を食べること

孤食
孤食とは1人で食事をとること、特に、孤独を感じるような1人でのさみしい食事のことです。

内閣府の調査によると、家族と一緒に食べる頻度について、「ほとんど食べない」と答えた者の割合は、朝食は25.5%、夕食も8.8%と、家族がそろって食卓を囲む機会が少なくなっています。

孤食を含めた6個の「こ食」の種類って?

孤食
現代の家庭に増えている「こ食」には孤食以外にもいくつか種類があります。

・個食(個々食) 家族それぞれが好きなものだけを食べる
・固食(固定食) いつも決まったものしか食べない
・子食(子ども食) 子どもだけで食事をする
・孤食(孤独食) 1人きりで食事をする
・小食(少量食) 食が細く食べる量が少ない、食欲がない
・粉食(粉主食) 粉を使った主食(パン・パスタ・麺)を好んで食べる

人間は「共食」をする動物です。

家族で食卓を囲むことは、協調性や社会性を育て、しつけの場であり、生活習慣病や偏食防止にもつながります。

子どもの孤食の原因とは?

1.核家族化

孤食
孤食が問題とされ始めた1980年代は高度経済成長期で、共働きの家庭が増え、核家族化が進んだ時代でもありました。

昔はおばあちゃんやおじいちゃんと同居しているなど、2世帯や3世帯で暮らしている家庭が多かった頃は、1人で食事をするというのはあまりなかったと考えられます。

しかし、現代では核家族化が進んでいるため、親が仕事で不在となると、子どもは1人で食事をしなければいけなくなる状況になります。

2.パパとママが仕事で忙しい

孤食
近年は共働きをする家庭も増えてきていると言われています。

残業をしたり、急に仕事が入ったりすることもありますよね。

仕事で帰りが遅くなってしまうと、子どもと一緒に食事をする機会が減ってしまうのも原因の一つとされています。

3.ひとり親家庭の増加、ワンオペ育児の増加

孤食
最近ではひとり親家庭やワンオペ家庭も増加傾向にあります。

ひとり親世帯の収入はふたり親世帯の収入よりも少なく、生活が厳しいため、長時間労働や仕事の掛け持ちをしている家庭が多いと言われています。

そのため、ひとり親家庭では子どもだけで食事をすることが多く、孤食が増え社会問題となっています。

ワンオペ家庭も、お父さんが単身赴任中だったり、残業ばかりで一人で子どもを見なければいけないので一緒に食事をすることが難しいですね。

孤食による子どもへの悪影響とは?

孤食
子どもはご飯を食べているのに、親は別室で家事をしていたり、または寝ていたりと、食卓を一緒に囲んでいない家庭もあると思います。

どの家庭でも、忙しい朝にはありがちですが、子どもだけの食卓では、一見楽しそうに思えても、それが日常化すれば、好き勝手にやりたい放題になってしまい、正しい食事のマナーが身につかないなど、不都合が生じてきます。

孤食の子どもは正しい食べ方、マナーが身につかない

孤食
孤食になると誰も食べ方について叱る人がいません。

今の子どもはいわゆる“犬食い”になっているのです。

正しい食べ方をしないと歯にも影響することが分かっています。

食べ物を口に近づけて食べることで咀嚼で使う筋肉ではなく、表情を作るときに使う口輪筋を使うことになります。

使われない咬筋は衰えやすくなり、顎も発達しなくなるのです。

逆に、使われる口輪筋は過度に発達し、口が鳥のくちばしのようになってしまいます。

前歯を押さえる力がうまく働きませんから、歯並びが悪くなりやすいのでしょう。

子どもの孤食は栄養バランスが偏る

孤食
ひとりで食べることで好きなものだけを食べたり、決まった物だけを食べていると栄養バランスが偏ります。

その為、生活習慣病になったり肥満になる子どもが増えています。

また好きなものだけを食べることでワガママになりやすいとも言われています。

大人が一緒に食事をしていると、「好き嫌いをしない」「食べ残しをしない」など注意をされますが、子どもだけで食事をしていると、好きなものしか食べない固食になりがちです。

子どもの食は、親がある程度管理し、多少の好き嫌いは考慮しつつも、様々な食材を使って調理した、バラエティ豊かな料理を並べる食卓の工夫は必要ですね。

孤食の子どもはコミュニケーション能力が欠如しやすい

孤食
家族が集まり食事をしていると、自然に会話も弾みますがひとりで食事をしていると会話をする機会がないため、コミュニケーションが育ちません。

そのため自分の気持ちを相手に伝えることや、相手を信用することができなくなり、将来的に他人と交友関係を結ぶことが難しくなってしまいがちです。

子どもを孤食にしないためにできること

手抜きの食事も取り入れる

孤食
毎日手の込んだ食事を作るだけが「食育」ではありません。

たまにはスーパーのお総菜を買ってきたっていいんです!

大事なのは子どもと顔を合わせて、1日の出来事を話しながら食事をすること。

楽しい食事の記憶は、きっとあなたの子どもに食の持つ力を教えてくれるはずです。

朝食はなるべく早く起きて、家族そろって食べる

孤食
帰宅時間に差がある夜ごはんよりも、朝ごはんの方が家族みんなで食事をとりやすいのではないでしょうか?

たとえ短時間でも子どもと一緒に食卓に座るために、身支度の順番をかえたり、起床時間を早めたりなど、少しの努力をしてみましょう。

もし、パパママのどちらかが早い時間に出発するのであれば、なにか一言メッセージを残しておくのも良いですね。

食事中はコミュニケーションに集中する

孤食
せっかく家族で食卓を囲む機会ができたのであれば、子どもとの会話の時間を大切にしましょう!

最近ではスマホ依存症が問題になっていますが、食事中のスマホ使用や新聞を読む手を一旦止めて子どもと会話をしながらコミュニケーションをとります。

食事をするのは30分から長くても1時間程度のことですから、食卓の周りを片付けてコミュニケーションに集中しましょう。

孤食と向き合い家族と向き合おう!

家族が食卓を囲んで食事をとりながらコミュニケーションを楽しむことは、食育の原点といえます。

ただ、最近は共働きの家庭が増えているのでお父さん、お母さんもとても忙しいでしょう。

そんな中、毎日食事を手作りして家事もして・・・となるとすごく負担がかかりますよね。

ゆっくりできるところからはじめましょう!

頑張りすぎなくて良いですよ。

今自分ができる範囲の中でチャンスを作って、子どもの食生活に目を配りながら家族の絆を深めていきましょう。

子どもは毎日頑張っているあなたの姿を見て、さまざまなことを学んでいるのではないでしょうか?

どうか気負いせず、あなたのペースで「食育」をしてみてくださいね♪