お菓子はいつから与えてよいの?年齢別のあげ方と気をつけること

お菓子を与えるときに気を付けたいこと

幼児期にはおやつが欠かせませんが、何歳からどのようなお菓子を食べさせたらよいのか毎日悩んでしまいますよね。

子どもにお菓子を与えられる時期について解説させていただく前に、気をつけておきたいことをいくつか紹介します。

子どもの味覚は3歳までの食事に左右される

お菓子 いつから
「3歳までの食経験は、その人の一生の味覚を左右する」という話は聞いたことはありますか?

実は3歳までに培われた味覚が、人の一生の味覚傾向を左右すると言われています。

3歳頃になると自我が発達するとともに、味だけで“おいしさ”を判断するのではなく、食事のときの環境や身体の状態、五感で感じる体験など、あらゆる情報が積み重なって“好き嫌い”を判断するようになるものです。

味覚を育てるためには、3歳までにいろいろな食品の味を経験させ、匂いや見た目、触った感じなど五感を存分に使って食事をすることが大切です。

濃い味に気をつけましょう!

デリバリーや外食で簡単にご飯が食べられる便利な時代で、外食をする子どもが増加傾向にあるようです。

ファーストフード店の食事やスナック菓子など、濃い味の食べ物を食べる子どもが増えてきています。

「コロッケや唐揚げにソースやマヨネーズなどの調味料をたくさんかけて食べる。」こういった濃厚な味は美味しく感じるかもしれませんが、その分塩分過多や高カロリー摂取になります。

「濃い味付けをすることで喉が渇き、ごくごくと清涼飲料水を飲みたくなることもしばしば。外食に行けば炭酸飲料水も飲んでしまう。」こうなると味覚のバランスが崩れ、味覚障害が起こってきます。

味覚障害という言葉は、聞いたことがある方も多いでしょう。一体、どのようなことなのでしょうか?

味覚障害とは

お菓子 いつから
現代では味覚障害の子どもが増えていると言われています。

味覚障害とは、食事をしても味を感じない、何を食べても味が薄く感じる、逆に何も食べていないのに苦味を感じるなど、味覚に異常が起こってしまうのです。

味覚障害の原因は、濃い味付けばかり食べるといった偏った食生活、舌の異常などで起こります。

味覚障害を防ぐためにはバランスの良い食生活を心がけたり、五味のうちのうま味を感じる食事を取り入れたりすると良いでしょう。

五味とは?

人間が味覚として感じる味は主に5つあります。

・甘味
甘味とは糖分の事。甘味は体内でエネルギー源になります。
ただし、取りすぎてしまうと肥満になったり虫歯が増えたり、糖分依存になる場合がありますのでバランス良く取りましょう。
・塩味
体液バランスを保つために必要なミネラルを補給します。食材を柔らかくする働きがあったり、排便作用にも効果的です。塩分を取りすぎてしまうと高血圧や腎臓病等、様々な病気にかかるリスクが高まりますので甘味と同様、取りすぎには気をつけましょう。
・酸味
「クエン酸」が疲労回復に役立つ成分として広まっていますが、自然界では酸味は熟していないフルーツや腐った食べ物から発せられる「危険信号」の役割を持ちます。
小さい子どもが酸っぱいものを忌避するのはこのためです。
・苦味
コーヒーやビールなど「大人の味」の代表格である苦味。苦味も酸味と同様、「毒」として小さい子どもや雑食性動物には忌避される味です。
・うま味
筋肉や血液など体を作るために必要、かつ体内でエネルギーになります。肉、チーズ、魚、牛乳などのタンパク質や、まぐろ、かつお、アジなどのアミノ酸にうま味成分が含まれています。

この5つが五味と言われています。

五味をうまく活用して、色々な食材や味を覚えさせることで好き嫌いの少ない子どもに育ちやすくなります。

そして、なるべく薄味で食材そのものを感じ、楽しんで食べてもらえるように心がけると良いですね。

はちみつ入りのお菓子は1歳をすぎてから

お菓子 いつから
はちみつは、1歳以下の赤ちゃんにとって、とてもリスクが高い食品です。

はちみつにはボツリヌス芽胞が含まれており、1歳未満の乳児は腸内環境が未熟なため、はちみつにボツリヌス菌が混入していた場合、菌が腸内で増えて「乳児ボツリヌス症」を引き起こす可能性があります。

ボツリヌス症にかかると、元気がなくなる、便秘になる、首が座らなくなるなどの悪影響を受け、赤ちゃんを苦しめてしまうのです。

また、ボツリヌス菌は熱に強いため、普通に加熱しただけでは死滅しません。

1歳未満の子どもには生のはちみつはもちろん、はちみつを使用した食品(お菓子等)にも注意が必要です。

食べすぎないよう工夫をする

お菓子 いつから
お菓子を食べすぎてしまうと、食事量に影響したり、肥満の原因になったりします。

味の強いチョコレートなどは、特別な日に1粒だけなどタイミングや量を決めておきましょう。

お菓子を食べすぎないようにするには、きっちりと時間やを決めて「ながら食べ」を防止し、お菓子のストックをしないよう心掛けることが大切です。

何歳からお菓子を与えてもよいの?

年齢別で食べられる、おすすめのお菓子についてご紹介します。ぜひおやつタイムの参考にしてみてくださいね。

※紹介するお菓子は例です。アレルギーをお持ちのお子さまは、食べてもよい食材か必ずご確認ください。

1歳ごろから食べられるお菓子

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1歳ごろのおやつは食事に響かない100kcalから150kcalくらいが目安です。

例えば、バナナやゆでたさつまいも、ロールパン等、やわらかくうっすら甘味のあるものがおすすめです。

市販のおやつでいうと、卵ボーロのようなお口の中で溶けるものが食べやすいでしょう。

2歳ごろから食べられるお菓子

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2歳頃もだいたい100kcalから150kcalをおやつから摂るのが目安です。

2歳頃に適したおやつは、カルシウムを補える小魚や昆布、チーズ等がおすすめです。

甘いものが好きであれば、ドライフルーツやヨーグルトもよいでしょう。

市販のお菓子では、赤ちゃん用のおせんべいが持ち運びやすく人気があります。

3歳ごろから食べられるお菓子

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3歳ごろのおやつは150kcalから250kcalくらいが目安です。

おにぎりや、みかん、フルーツゼリーがおすすめです。

手軽に野菜本来の味を楽しめる、お野菜のクッキーや野菜チップスは、市販のものでもかまいません。

4歳ごろから食べられるお菓子

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4歳ごろのおやつも150kcalから250kcalくらいを目安にしましょう。

ホットケーキや蒸しケーキ等は、満足感があり、大好きな子どもも多いです。

市販のお菓子でいうと、虫歯予防にもなるキシリトール100%のグミやチョコレートが良いでしょう。

キシリトール100%のお菓子は、当院でも販売していますので、お試しくださいね。

5歳ごろから食べられるお菓子

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5歳頃は160kcalから230kcalをおやつから摂るのが目安です。

お腹にたまる、小さめのおにぎりやパンが良いでしょう。

市販のスティックパンやおせんべいもおすすめです。

子どもとおやつの時間を楽しもう!

子どものおやつは本来子どもの補食としての役割が大きいのをご存知ですか。

食育やリフレッシュの時間になり、子どもにとって欠かせないものなのです。

しかし、何をあげたら良いのか迷ってしまうこともあるでしょう。

私がおすすめしたいのは保育園や幼稚園でのおやつを参考にして、小さなおにぎりや、パン、果物をあげることです。

専門の栄養士さんが月齢を考慮して献立するおやつは、とっても参考になりますし、安心ですよ。

大事なのは「絶対にあげない!」と決め込むことではなく、メリハリをつけてあげるということ。

手作りのメリットはたくさんありますが、毎日のおやつを作るのは大変ですよね。

市販のおやつにひと手間加えたり、組み合わせを工夫して、毎日楽しいおやつタイムを過ごしてください。