子どもが朝ごはんを食べない理由
朝昼晩、1日3食規則正しく摂ることで、からだのリズムが整うと言われています。
皆さんは毎日きちんと食事ができていますでしょうか。
朝の時間に余裕がなかったり、食が細い子は朝ご飯をたべられなかったりする場合があります。
また、子どもなりに食べたくない理由もあるのかもしれません。
まずは子どもがどんな理由で朝食を食べないのかご紹介します。
前日に食べたものを消化しきれていない
普段、夜ごはんは何時に食べていますか?
夜ごはんを遅い時間に食べて寝てしまうと、消化がされないまま寝てしまうことになり、次の日にはお腹が空いていないので食べられないということになります。
ご飯は、遅くとも寝る2時間から3時間前には食べ終わるようにしましょう。
お腹が空いていると眠れないから、ちょっとお菓子をつまむ、そして、お菓子だと味が濃くて美味しいので後を引き、もっと食べるという悪循環になってしまいます。
これでは翌朝の朝ごはんがお腹に入りません。
子どもに、朝ごはんを喜んで美味しくたくさん食べて貰うためには、前日の食事の時間や、睡眠時間をきちんと決める事が大切です。
起きたばかりでお腹が空かない
前の日の寝る時間が遅いと、翌朝に眠気が勝ってしまい、食欲が湧かないことがあります。
朝ギリギリに起きてしまうと、朝食を出されても起きたばかりで食べれられないという子どももいます。
理想は朝食を食べる30分前には起きて朝食をとる準備ができるとよいでしょう。
また、最近の小学生によくあるケースですが、習い事を何個もしていて、帰宅するのが遅くなってしまうという子どもがいます。
そのため、就寝時間が遅くなってしまい、朝ギリギリまで寝てしまい、朝食が食べられないケースが増えています。
習い事の頻度や時間帯を工夫して、遅くとも22時には眠れるようにしたいものです。
ひとりで食べるのがさみしい
近年、共働きの核家族が増えています。
そのため、子どもと一緒に食べる時間がなく、子どもだけで食事をする「孤食」も増加傾向にあるようです。
まだまだ甘えたい、幼少期のお子様の場合、一人での食事はさみしいかもしれませんね。
子どもだけで食事をさせることで好きなものだけ食べるようになるだけでなく、会話をすることがないのでコミュニケーション能力が欠如しやすくなるといった悪影響を及ぼします。
本当は、家族が集まって食卓を囲んで、自然と会話が始まるのが理想的です。
しかし、ただでさえ忙しい朝の時間に一緒に食事をして、ゆっくりコミュニケーションもとるというのは難しいときもあるかもしれません。
朝だけ、夜だけでも、家族が揃うことができる時間帯を見つけて、みんなで楽しみながら食事ができる環境をつくりましょう。
どうしても一緒に座って食事が難しい時間帯は、子どものお気に入りのぬいぐるみをイスに置いてみてください。
お気に入りのぬいぐるみが隣にいるだけでも、一緒に食事をしているような気分になって安心でき、さみしさが紛れるはずです。
子どもを孤食の悪影響から守るために親ができることは、親が無理をして子どもの生活に合わせるのではなく、親と子どもの生活の中で共有できる部分を増やす努力をしていくことです。
朝ごはんを食べるメリット
「時間がないから」「作るのが面倒だから」と朝ご飯を抜いてしまうとさまざまな面で損をしているかもしれません。
ここからは朝食を摂ることのメリットをご紹介します。
生活リズムが整う
人間の体には体内時計というものがあります。
これは時間に合わせて脈拍、血圧、体温、ホルモン分泌量などを微調整しているものです。
「朝起きて、昼に活動し、夜に眠る」という人間の行動は、体内時計によって毎日繰り返されています。
朝食を摂ることが習慣づけば、朝食の時間から逆算して起床時間を決めるようになるため、生活リズムが整いやすいのです。
また、朝ごはんを食べると、1日のスタートを体に知らせることができ、体内リズムのズレを修正することができます。
この時計を合わせるような体内リズムの調整が、心身ともに健康に1日を過ごすカギとなっているのです。
そして朝ごはんを食べる事で、朝から胃が活動して腸が刺激され、スムーズな排便を促します。
学力によい影響を及ぼす
文部科学省が毎年行っている『全国学力・学習調査』によると、「毎日、朝ごはんを食べる子どもほど学力が高い傾向がある」ことが示されています。
集中力は脳の唯一の栄養であるブドウ糖によって上がりますので、バランスのよい朝ごはんを食べることによって、集中力がアップします。
朝食を抜いて脳が栄養不足に陥ると、思考・判断・行動などさまざまな面で影響を及ぼすことがありますので、毎日の朝食は子どもにとってとても大切なのです。
パンだけの朝ごはんはNG?
ここまで朝ごはんを食べる重要性をご紹介してきました。
では、朝ごはんは何を食べるのが脳の働きに最もよい影響を与えるのでしょうか。
「忙しいし、パンだけでも口にすればよいのではないか」というとそうではありません。
では、その理由を解説します。
ビタミンB群やコリンなど他の栄養も必要
脳へブドウ糖を供給するためには、ご飯やパン、麺類やいも類、果物類、砂糖類などブドウ糖が含まれている炭水化物の栄養がとても大切です。
しかし、ただパンだけ・ご飯だけの食事になると、炭水化物のみ吸収されてしまいます。
糖質をエネルギーに転換するビタミンB群(豚肉・たらこ・牛乳・さんま・バナナなどに含まれる)や、脳を働かせるコリン(大豆製品・卵黄などに含まれる)など、他の栄養素と一緒に炭水化物を摂ることで、脳の働きが十分に機能するようになります。
おかずと一緒に炭水化物を摂るように、栄養バランスに気をつけて朝食を摂るように心がけましょう。
パンだけの朝ごはんより、米飯と昨晩の残りもの
お米はパンよりも血糖値の上昇がおだやかで、しっかりとおかずを食べることができるというメリットがあります。
パンだけの朝食ばかりにならないよう注意し、「ごはん+昨晩の残りもの」と簡単なものでよいので、炭水化物と他の栄養をバランスよく食べることが大切です。
また、ほとんどの市販のパンには、油や砂糖、塩などが使われており、イーストフードや乳化剤、酢酸Na、甘味料、香料などの添加物が含まれているものも多いのです。
パンには「トランス脂肪酸」という、身体に害があるとして全米で規制の対象になる成分が入っていることもあるので要注意です。
それに対して、家庭で炊いたごはんは、添加物を気にせず食べられます。
栄養満点の朝ごはんを喜んで食べてもらうコツ
栄養満点かつ子どもが喜んで食べてくれる食事を出せるのが一番よいですよね。
ちょっとしたコツで、朝食をすすんで食べてくれるようになるかもしれません。
ここからは子どもに喜んで食べてもらうコツをご紹介します。
おにぎり、おにぎらずに卵焼きやツナを入れて食べやすく
おにぎりなのに手で握る必要がなく、簡単、スピーディと話題のおにぎらず。
作り方は簡単で、ラップにのりを敷いてごはんを半量のせ、その上に具材を置いてさらに半量のごはんを重のせてラップで包むだけです。
具材は、卵焼きやツナ、唐揚げなど、子どもが大好きなおかずがおすすめです。
主食のごはんで炭水化物、海苔でミネラルを摂取できるだけでなく、おかずも全部一緒に食べられるのでバランスの良い朝ごはんが食べられます。
昨晩の残りものや作り置き、冷凍食品を使っても早く簡単に調理ができるので忙しいパパやママにもぴったりです。
朝ごはんを一緒に作る
時間があるおやすみの日には、子どもと一緒に朝食を作ってみましょう。
チャーハンや、パンケーキなど、おやすみの日は子どもの食べたいものを一緒に作ってみるのも良いです。
子どもは一緒に作ることで、自分が頑張って作った食べ物という認識があるので不思議と食べてくれます。
食材を一緒に切ってもらったり、混ぜてもらったりして一緒に楽しみながら作りましょう。
お手伝いをする事で、子ども自身の責任感が生まれ、自分に自信がつきます。
それだけではなく、親から褒められることで認められたと感じ、自己肯定感が育つのです。
また、家族とのコミュニケーションも取れるのでメリットばかりですね。
ライフスタイルにあった方法でよい朝を!
家庭によっては時間にどれだけ余裕があるか、どんな朝ごはんが主流なのか全く異なると思います。
家庭にあったやり方を取り入れて、朝の時間に余裕を持たせていきたいですね。
子どもが朝からごはんをぺろりとたいらげてくれたら、パパ、ママも頑張りがいがありますよね。
手間をかけずに、気軽に美味しいごはんを作りましょう!