子どもの成長期に欠かせないカルシウム
カルシウムは牛乳に多く含まれているということは聞いたことがあるかと思います。
このカルシウムは成長期の子どもにとって、とても重要な役割をしているのです。
今回はそんなカルシウムについてご紹介していきます。
体内のカルシウムのほとんどが歯や骨の形成に使われる
体内のカルシウムは歯や骨の主成分になっており、毎日欠かさず摂取する必要があります。
カルシウムは歯や骨の形成に使われたり、筋肉の収縮や神経を安定させたりする作用もあります。
また、将来的にも骨粗しょう症を防ぐことにつながります。
残りのカルシウムは血液の凝固作用、ホルモン分泌などに
残りのカルシウムは何に使われるのかというと、カルシウムイオンとして血液や筋肉、神経内にあり、血液の凝固を促して出血を予防するほか、心筋の収縮作用を増し、筋肉の興奮性を抑える働きもあります。
カルシウム摂取量を意識した食事を!
カルシウムはとても大切な栄養素です。
成長期の子どもにとっては骨や歯の形成につながる大事な栄養素になるので日々の食事にも取り入れたい栄養素ですね。
では、1日にどのくらいのカルシウムを摂取するべきなのでしょうか?
1日に必要なカルシウムはどれくらい?
1日のカルシウム摂取推奨量は、日本人の食事摂取基準(2015年版)で以下のように設定されています。
男性の場合
1歳から2歳 | カルシウム摂取推奨量:450mg |
---|---|
3歳から7歳 | カルシウム摂取推奨量:600mg |
8歳から9歳 | カルシウム摂取推奨量:650mg |
10歳から11歳 | カルシウム摂取推奨量:700mg |
12歳から14歳 | カルシウム摂取推奨量:1,000mg |
15歳から29歳 | カルシウム摂取推奨量:800mg |
30歳から49歳 | カルシウム摂取推奨量:650mg |
50歳から | カルシウム摂取推奨量:700mg |
30歳以上の大人と比べて、12歳から14歳頃の成長期の子どもは大人の約2倍多く取らなければならない計算になりますね。
女性の場合
1歳から2歳 | カルシウム摂取推奨量:400mg |
---|---|
3歳から7歳 | カルシウム摂取推奨量:550mg |
8歳から9歳 | カルシウム摂取推奨量:750mg |
10歳から11歳 | カルシウム摂取推奨量:750mg |
12歳から14歳 | カルシウム摂取推奨量:800mg |
15歳から29歳 | カルシウム摂取推奨量:650mg |
30歳から49歳 | カルシウム摂取推奨量:650mg |
50歳から | カルシウム摂取推奨量:650mg |
日本人はカルシウムが不足しがち
国の調査によると日本人の1日のカルシウム平均摂取量は、幼児期を除くほぼすべての年齢層で「推奨量」に達していません。
その原因として考えられるのは、2つあります。
1つ目は、乳製品の摂取が少ないことです。学校給食でもよく見られるのが、牛乳嫌いな子どもが多いこと。
牛乳は独特の匂いや、後味が嫌という理由やお腹を下してしまうから嫌だという子どももいます。
その理由から、摂取量が減りカルシウム不足の原因としてあげられます。
2つ目は、自然環境です。
日本の国土の多くは火山灰地で、カルシウム含有量が多くありません。
そこで育つ野菜や自然水などもおのずとカルシウムが少なくなっていることが原因と考えられています。
また、日本の伝統的な和食には乳製品を使ったメニューが少ないことや、食の欧米化により魚料理を食べる頻度が減ったこともカルシウム不足になりやすい原因としてあげられます。
どうやってカルシウムを摂取すればよいの?
では、どうやってカルシウムを摂取するのが良いのでしょうか?
効率的にカルシウムを摂取する方法をご紹介します。
カルシウムを多く含むおすすめ食品、おやつ
牛乳100mlに含まれるカルシウムの量は約110mgです。夕方以降、寝る前に牛乳やホットミルクを飲むと体内に蓄積されやすいと言われています。
※牛乳アレルギーの方はお控えください。
ししゃもにもカルシウムが多く含まれており、3尾で約149mg含まれています。子持ちししゃもは子どもにも人気の魚なのでおすすめです。
おやつとしてもおすすめな小魚スナック。スーパーでよく見かけますね。カロリーも低いためおすすめな食品です。
牛乳が苦手な子どもには、スムージーにすると飲みやすくなります。ブルーベリー、ヨーグルト、牛乳を混ぜたスムージーは甘酸っぱくておすすめです。ヨーグルトにも100gあたり120mgものカルシウムが含まれています。また、ブルーベリーを入れることで、牛乳の味が少し消え飲みやすくなります。ブルーベリーは冷凍のものを使うと楽チンですね♪
カルシウムの吸収率を高めるには?
カルシウムの吸収率は他のミネラルとのバランスが影響します。
体内でのカルシウムの吸収を高めるには、ビタミンDとの組み合わせが良いです。
カルシウムとビタミンDとの相互作用で効率よく吸収できます。
ビタミンDは、キノコ類や鮭、さんま、モロヘイヤ、チーズ、ひじきなどに多く含まれています。
きのこのクリームグラタンやひじきと小松菜の白和え、ちりめんじゃことチーズのサンドイッチのようなレシピは、子どもが食べやすくおすすめです。
サプリメントは必要?
日本人が不足しがちなカルシウム。
サプリメントで摂取するのが一番簡単で効率良いのではないかと思う方もいらっしゃるかと思います。
カルシウムは過剰摂取してしまうと、泌尿器系結石、ミルクアルカリ症候群、他のミネラルの吸収抑制などが起こることが知られています。
また、カルシウムをたくさん摂取することで身長が伸びるということをよく耳にしますが、カルシウムは骨の“密度”を上げる栄養素なので、「成長を促進する作用がある」というデータはありません。
日本人の通常の食品からの摂取では耐容上限量を超えることはまれと思われますが、カルシウム強化食品やサプリメントを使用する場合は摂りすぎに注意が必要です。
カルシウムで丈夫な体作りを!
子どもの成長期にはカルシウムが大切ということをご紹介してきましたが、基本は1日3食、主食・主菜・副菜のバランスの良い食事を心がけることが最も重要なことです。
身体も心も著しい成長を遂げるこの時期、普段の食事から摂取する栄養が将来のお子さんの体をつくっていきます。
是非、参考にしてみてくださいね。