メタルフリーの虫歯治療

虫歯の治療が必要ないよう、予防できるのが一番。しかし、虫歯になってしまった歯は適切な方法で治療しなければなりません。治療が必要かどうか、治療方法をしっかり見極る必要があります。

詰め物や被せ物の素材は適切か

皮膚炎や脱毛症などの症状があり原因がわからない方、金属アレルギーが原因かもしれません。
お子様・パパ・ママの健康のため、美味しい食事のため、歯の治療を見直してみませんか。

金属アレルギーについて

そもそもアレルギーとは何か

私たちの体には体外からの異物(抗原)に、対抗する物質(抗体)を作り、体を守ろうとする働きがあり、体によいものかどうかを識別して排除します。例えば一度おたふくかぜやにかかると、二度とかからなくなり、これは免疫と言われます。この免疫が上手に働かないと、本来有害でないものに対しても過剰に反応を起こすことがあります。

例えば、年々増加している花粉症。本来有害ではない花粉に対して、過剰に反応を起こして鼻水やくしゃみなどの症状が現れます。これが「アレルギー」です。抗原が侵入すると抗体が産生されます。そして再び抗原が侵入した時に、免疫機能が正常に働くと抗原の侵入を防いでくれますが、抗体が抗原に過剰反応してアレルギーを起こします。

金属アレルギーとは

金属ということが目で見てわかるものから、含まれていることがわりにくいものまで様々です。厚生労働省が公表している皮膚障害の中では、金属製のアクセサリーに関する事例が最も多く報告されています。

金属アレルギーは、アレルゲンである金属がイオンとして溶出することで発症します。何らかの金属に対してアレルギーのある方は、日常生活でも金属への接触に十分に気をつけなければなりません。また、スポーツをして大量に汗をかいたときや、夏場などは、特に注意が必要です。

お口の中に金属アレルギーの原因となる金属がある場合でも、その症状は掌や足の裏など、口から離れた場所の皮膚に出る場合があります。むしろ、お口の中よりも皮膚に症状が出ることのほうが多いかもしれません。金属アレルギーが原因と思われる代表的な症状に、手足の先などに無菌性の膿疱などが繰り返しできる「掌蹠膿疱症」があります。(※必ずしも金属アレルギーだけが原因とは限りません。扁桃腺炎や歯が原因の細菌感染(歯性感染症)等、ほかの病気によって引き起こされている場合があります。)

全身型金属アレルギーと呼ばれる症状も

全身型金属アレルギーは、イオン化した金属が取り込まれることで症状がでてきます。最近では歯科治療に用いられる金属による危険性がよく取りだたされています。原因がお口の中の金属にあっても、お口の中に症状が出るとは限らず手のひら・足の裏やお腹などに発症することがあります。そのため、症状のある部位だけを治療しても、なかなか治らないということになります。

歯の詰め物・かぶせ物などに使われている金属は、長い年月をかけてお口の中で少しずつ溶け出し金属イオンとして、体内に取り込まれます。金属イオンのそのほとんどは、吸収されずに便や尿、汗などで排出されるのですが、ごくわずかな金属イオンが少しずつ蓄積し、体内のタンパク質と結合して抗原(アレルギーを引き起こす物質)となることがあります。

歯科で使われる詰め物・かぶせ物の多くは、数種類の金属を組み合わせた合金を用いることで強度や耐変色性・耐蝕性を高めています。しかし、お口の中はあたたかく、歯垢中の菌からの有機酸、唾液などで湿気があり、金属にとっては辛い環境といえます。また飲食物の酸、詰め物・かぶせ物同士の接触などにより、そこから腐食することがあります。

メタルフリー治療とは?

金属素材の詰め物や被せ物を使わない虫歯治療

メタルフリー治療とは、金属を使わないため、金属によるアレルギー症状があった人には有意義な治療といえます。もちろん現在金属アレルギーがない人でも、いずれアレルギーを引き起こす可能性はあるので、将来のアレルギー発症を予防でき、見た目もきれいなことは大きなメリットと言えます。
メタルフリー治療にはセラミックス(陶材)、ジルコニア(人工ダイヤモンド)、ハイブリッドセラミックス(超硬質レジン)などが使われます。レジン系材料は歯科治療の多くの用途で使用される材料で、詰め物や入れ歯だけでなく、仮歯やかぶせ物の接着剤にも使われます。しかし、多種類の化学成分からできているため、これによってもアレルギーが起こることがあります。セラミックスやジルコニアは天然歯に近い透明感と硬さを持ち、生体適合性の良い材料です。

メタルフリー治療の注意点

アレルギーの原因が金属であった場合でも、外したからといってすぐに症状が改善されるとは限りません。抗原は長い時間をかけて、少しづつ体内に蓄積されたものなので、金属を外しても抗原はいつまでも体の中に残ってしまうのです。完全に症状がなくなるには、1、2年はかかると考えましょう。

歯科治療をしてお口の中に金属が入ってから口腔内にアレルギー症状が発生した場合には、歯科で用いられた金属によるアレルギーの可能性が疑われます。アレルギー検査で陽性反応のあった金属は完全に除去し、それらを含まない材料に替えることが治療の最優先と考えています。(アレルギー検査は皮膚科などで行うことができます。)

心配な点があれば、歯科医院へ相談を

お口の中に金属があり不安な方や、メタリフリーの素材について何がご自身の体に合っているのかわからないという方、その他お口の中のことについてお悩みの方、時間をたっぷりととってお伺いいたします。ご相談ください。